って、恋愛とか興味ないクセに、どうしてこんな質問しちゃってるんだろう。自分が謎だった。
並河君は、即答した。
「寂しいよ。誰とも付き合ってほしくない」
「……!」
驚いた。そんな答えが返ってくるなんて思わなかった。だって、並河君は私のことを友達と思ってるはずだから……。
「なんてな。ウソ」
「……え、ウソ…?」
「詩織の味方なのに、そんなこと言わない」
「だよね、ちょっとビックリしたよ」
「驚いた詩織の顔見てみたかっただけ」
「何それ!」
目を合わせ、クスクスと笑い合う。
並河君といる時間は、世界のどんな場所より安心できた。優しくてあたたかくて、何でも受け止めてくれそうな雰囲気に甘え、つい余計なことまで言ってしまう。
友達。そっか。男の子の友達は、女友達とは少し違うんだ。こうやって色んな行動で励ましてくれるものなんだ……。
保健室の先生は来なくて、私達はしばらくそうして椅子に座ったまま、窓越しの空を眺めていた。
空気が澄んで綺麗な青空。
写真、撮りたいなぁ……。
この景色を、時間の流れで変わってしまう空を、この瞬間に残しておきたい。
並河君も、同じように空を見ていた。何を考えてるんだろう。


