「悠斗も見なかった?」
仕方がなく私も聞いた。

「俺の時は、居なかったけどなぁ…ゴホッ、ゴホッ」
咳き込みながら言う悠斗。

あれ?

「悠斗…風邪でもひいた?」

「…う~ん。少しひいたかも…身体が怠いし…」
何かに辛そうな雰囲気だ。

「悠斗く~ん。大丈夫~?」
雪乃も心配そうに尋ねる。

「大丈夫?
悠斗でも、風邪ひくんだねぇ~」
意外と体調を気遣ってひかなさそうだと思っていた。

「お前みたいな馬鹿じゃ無いからな。
馬鹿は、風邪ひかないってこう言う時に言うんだろうなぁ~」
しみじみと思うようにフッと笑う悠斗。

何ですって!?

まったく…
風邪ひいても相変わらず憎まれ口を叩くんだから

「と…とりあえず
今日は、早く寝たら?
こっちまで、風邪移されたら迷惑だし」
負けじと言い返してやった。