「どうして?」

「だって…皆がこうやって心配してくれたり
迎えに来てくれるのが…嬉しくて言え無かったの。
最近なかなか忙しくて会えなかったから寂しくて…」

「たがら、ごめんなさい」
泣きながら謝ってくる雪乃。

「………雪乃…」

雪乃だけが悪い訳じゃない。
私達だってなかなか時間を作れない
雪乃の気持ちを気づいて
あげられなかった。

寂しがり屋なのは、知っているくせに。

「もういいよ。さぁ、仕事が終わったら帰ろう!」
そう優しく言うと私は、手を差し伸べた。

「うん、帰ろう。俺達の家に」
笑顔で言う輝君。

「ったく、人騒がせな。さっさと帰るぞ!」
ぶっきらぼうな言い方だが、これも悠斗の優しさだろう。

「ありがとう…皆」
やっと笑顔になる雪乃。

そして我が家に帰るのだった。