紅〜kurenai〜



それから、お互い何も話さないままこの前と同じルートで2階のこの前と同じ部屋に通された。




そして、集まっていた周りの人からの好奇の目もこの前と同様だった。




そりゃそうか。
周りよりズバ抜けてる容姿を持つ彼奴らと今時それは無いだろうって格好をしている私が一緒にいるんだから好奇の目を集めるなんて当たり前のことだ。






「コーヒーでいい?」



部屋に入ってソファーに座った所で尋ねてきた寛人に「何でもいい」と返して深くソファーに腰掛ける。



けど、気は抜けない。



そこが私がこの場所を嫌う一つの理由でもあるから。



何でわざわざ自分から気を張っていなきゃいけないところに行かなきゃいけないんだ。



そう思うが今日は自分からやってきたのではなくてまたもや連行されてきたわけで。



「で、その私に会わせたい奴とやらはどこにいるの」



出来ることならこんなに居心地の悪いところとっとと出て行きたい。


だから、要件を早々聞こうとしているというのにそういう時に限って



「もう少し待て」



こうなんだよね。






3日前に来た時は、最初で最後、なんて思ってたくせに易々と2回目を与えてしまってる自分に嫌気が指す。





それに誰も口を開こうとしないこの微妙な雰囲気。



開こうとしないというよりそれぞれが好きなことをやっているって言った方がいいか。
別にそれを咎めるわけじゃ無いけど、この重たい空気はどうにかしてほしい。




私、一応、来客だからね。





内心溜息が漏れそうになった時ちょうど良くコーヒーができたみたいで、キッチンから寛人が出てきた。



受け取ったカップの下皿にはやっぱりミルクと砂糖。



……ここに来る事になるとこれも耐えなきゃいけないのか。


らしくも無いことを考えながらミルクと砂糖を入れたカップをかき混ぜる。




「頂きます」



一口飲めば、ブラックで飲む時とは違った甘さが口に広がる。



……やっぱり慣れないこの甘さには。















背負っていなかければいけない罪を溶かしているような気がしてならないんだ。