紅〜kurenai〜





「熱いから気をつけろよ」



私の紅茶と自分の珈琲を持ってソファーまでやって来る。


「ありがとう」


カップを受け取って少し息を吹きかけ冷ましてから一口飲むと口に広がる懐かしき味。



「んーっ、美味しいっ。やっぱり匡ちゃんの淹れる紅茶が1番」


「そりゃどーも」


少し嬉しそうに笑う匡ちゃんにつられて私も笑顔になる。















やっぱり、何も変わってない。








気が利く所も紅茶の淹れ方がピカイチな所も珈琲を飲む所もその姿が絵になる所も座るとき足を組む所も嬉しい時鼻の頭を触る所も。








私が話し出すまで何も聞かずに待ってる所も。






何も。何一つ変わってない。




きっと私が話したくないって言ったら彼は笑って「サクラが話したくないなら話さなくていい」って言う。





だけど、そんな無理はもうさせたくないんだ。