「なるほどなぁ」
全てを話すと、祚馬はコクコクと首を上下に振った。
「このままほっといたらええんとちゃうの?」
「祚馬は倒れてる人をほうっておけるんですか?」
「人ならともかく、妖やろ。目が覚めたら真冬様や爺さんを襲うに決まってるやん」
そうかもしれない。
けど、このままほうって行くのは絶対に嫌だ。
「その時は…私がどうにかします」
「滅す力も持ってへんのにどうするゆーうんや」
「…」
確かにそうだ。
私は安倍晴明の子孫でも、滅す力はない。
結界や動きを封じることなどしかできないのだ。
悪しき妖怪にあまり出会うことはなかったから特に困ることもなかった。
出会ったとしても、他に陰陽師がいる場であった。
