死んでいる、というわけではなさそうだし、とりあえずどこかへ運ぼう。
…でも何処へ?
妖を交番へ届けるのは絶対に駄目だし…。
「どうしよう…」
「う~ん」と悩んでいると、私を呼ぶ声が聞こえた。
「真冬様ー、はよ帰ったらな爺さん心配すんでー」
「祚馬!?何でここに?!」
いつの間にか、お爺ちゃんの式神 祚馬(サクマ)が目の前にいた。
いつも通り、へらへらとした笑顔を浮かべている。
「お使いや、お使い。…ったく、式神をパシるなんてどーいう神経しとんのやろか」
「あはは…」
「んで、こんなところで何してるん?」
「あ、えとですね…」
