お母さんの言ったことに、信じられなかった。

今日はエイプリルフールじゃないのに。

お母さんは嘘が嫌いな人だ。

――嘘じゃない?





「カイくんが……?」




震える声で聞き返すと、
お母さんは目を伏せたままチラリと右を見た。

あたしもゆっくり右を見た。





「…そん…な……」




あたしが横たわるベッドの右。

酸素マスクをつけたカイくんがいた。

あたしは痛む腕に顔をしかめながら起き上がる。





「ど…して……」


「主治医の先生から、
ハルナが事故に合ったこと聞いてね。

心臓の発作起こして…倒れたんですって」


「あたしのせい……?」


「いいえ、
ハルナのせいじゃないわ。

カイくんここ最近風邪引いていたんですって?」


「うん…昨日も早退した」


「風邪を引いていたせいで、
少し心臓に負担があったんですって。

今は意識不明らしいわ」