「う…ん……」




目が覚めると真っ白な天井が真っ先に視界に広がった。

…ここ、どこ?




「ハルナ!大丈夫?」


「…お母さん……?」


「良かったわぁ目覚めて」


「あたし…どうして……」


「覚えてないの?

学校に行く途中の交差点で、仔猫が赤信号の時飛びだして。
それをハルナが庇ったのよ」


「あたしが…猫を?」




そういえばいた…小さな仔猫が。

灰色のちょっと薄汚い仔猫。

赤信号なのに飛び出して行って。

気が付けば一緒に飛び出していた。





「お母さん…仔猫は?」


「今動物病院にいるわ。
怪我はしているけど、命に別状はないって」


「良かったぁ……」





あの子守れたんだ。

すっごく小さな仔猫だったんだもん。

守れて良かった。