「カイ、ご飯食べちゃいなさい」




母が笑顔で言ってくる。

だけど僕は返事をしないで、ただ右から左へ流した。




「……カイ?どうかした?」


「カイ、どうした」




台所に立っている母と、

椅子に座って新聞を読む父。

変わりのない光景のはずなのに。



何でだろう?

僕だけ輪の外にいる気分なのは。







『カイくん!』





ふわり、と眩しい笑顔の彼女が、見エル。

だけど…ピシリ、とヒビがはいる。





パリン、と…割れた。