「ど…して……ですか…」


『道路に飛びだした仔猫を助けるためだったらしい。
今は意識不明の重体だ』


「生きて…ます…か……」


『生きてはいる。
だけど――非常に危険な状態だ』






僕はボトッとスマホを落とした。





――何か聞こえる。

担当医が何か言っているんだ。

でも…何も…何モ…聞コエナイ。




僕は機械のように動き、制服に着替えた。




何…何…何ガ、起キタノ。

ハルナサンガ、事故?

非常ニ危険ナ状態?

ドウイウコト?

コレハ――ユメ?

何ガ、ゲンジツ?





昨日のうちに準備しておいた鞄を背負う。

そして部屋を出た。