「それじゃハルナちゃん、気を付けてね」


「はい。
お邪魔しました」


「また来てくれると嬉しいわ。
カイも喜ぶと思うから」


「はい、ありがとうございます」





カイくんによく似た美人なお母さんに別れを告げ、

あたしはカイくんの家を出た。






カイくんはカップケーキを平らげてくれた。

味見はしていないけど…美味しくないカップケーキを。

しかも嫌そうにではなく嬉しそうにだから、あたしまで嬉しくなってしまう。

優しくてかっこいい、紳士的な自慢の彼氏だ。




「さーて、編み物しなくちゃ!」




カイくんの家に行く途中で買った、
編み物の本や毛糸たち。

悩みに悩んで、カイくんに似合う色を見つけ購入した。

大きな出費はなく、良いお買い物が出来たと自己満足する。





「カイくん、喜んでくれるかなぁ」




周りの目を気にせず独り言を言いながら帰宅する。

カイくんの嬉しそうな顔を想像するだけで嬉しくなっちゃう。





早めに帰らなくちゃ!