ガラッと音をたて教室へ入る。

誰もいないこの空間が僕のお気に入り。




机と机の間を縫うように歩き、
自分の机へと辿り着く。


机の上に肩にかけてある鞄を置いて、
中から教科書やノートたちを取り出して仕舞う。


重たくて、
学校のロッカーに仕舞いっぱなしの資料集たちを取りに、

教室の後ろに設けられたロッカーに取りに行く。


全ての授業の教科書たちを揃え終え、
そこでやっと席に着く。





あぁ…なんて幸せなんだろう。

ハルナさんたちは毎回こんなことをしていたのか。


何てことのない行動が嬉しくて、思わずガッツポーズを決めていると。





「何しているの?」


「ぅわっ!?」




いつの間にか教室に来ていて、
クスクスと僕の傍で笑っているのは。




「脅かさないでくださいよ…ハルナさん」




僕の大事な彼女である。