シャクッシャクッ
積雪を踏む音だけが響く。
はく息も白く、鼻先は赤くそまっていた。

「はぁ~…寒っ…」
マフラーで覆った口からもれる。
周りは、同じ高校に通う人たちでいっぱいだ。
まぁ、通うと言っても寮から校舎までの道のりなのだが。
と言っても、今は真冬。
寒くない訳がない。
「やっぱ、ポメで来るべきだった。」
そう言った彼の頭部には普通ではあり得ないものが付いている…いや彼だけではない。
彼と同じ高校に向かう人たちも同じだ。

彼等の頭部に付いているもの…それは。

ケモミミ。