平安異聞録-お姫様も楽じゃない-




翌朝、日が昇ると六合は歩いて大内裏まで歩いて行った。



六合が人となった姿は、とても好感が持て、大人の色香が漂っていた。



「六合のあの姿は、面白いわあ。」



「私は絶対に、ああいう事はしないからね。」



今日は、玄武と太裳がアタシの側に控えている。



太裳は相変わらずで、アタシに厳しいというか、冷たいというか…



「そお?凄く素晴らしい、見栄えだと思うけど。」



アタシが玄武にそう答えると、「趣味悪いわよ」と言われてしまった。



今日は、宴があると言う事で、準備の為女房たちはみんな出払っている。



陰陽の術の書物や、過去の事件が載っている巻き物を読み漁る。






「……妖の四肢を絡め取りたい時に使う…」



新たに紙を捲ろうとした時、突風が巻き起こった。



風に思いが込めれている。


《宵様が、向かわれる。》



「全く、鞍馬の天狗は荒いわねぇっ!!もう少し、加減を考えなさいよね。」



先程の風で乱れてしまった髪を、手櫛で直しながら玄武が小言を言う。



アタシもそれを思わないでも無かったが、此方が無理を言って頼んでいるため、沈黙を通す。



「私、鞍馬の天狗達は好きにはなれないわ。」



昨日は冷静だったのに、今日はぶつぶつと文句ばかりを口にしている。



昨日の冷静さは一体、なんだったのか…