平安異聞録-お姫様も楽じゃない-




どんよりとした空模様を睨み、ため息をつく。



「近頃の荒れた天候の中に、何も感じるものが無いなんて」



不自然以外の何もない。



「かといって清浄というわけでもないですし、近いうちに動きがあるのでは?」



後手に回るしかないのは悔しい、だが父上も陰陽寮も調査はしているのだろうか?



入内した身であるから、流石に父上から裏の話が回ってくる事は無くなった。



身の回りの事は多少回ってくるが、落ち着かない。



父上は元々一人でこなせる筈で、私の代わりに吉平、吉昌もいるのだから。



面白い筈がないだろう。



かと言って、自分からお伺いを立てない私も私なのだが。



「何だか久しぶりに抜け出したくなってきたわ」



物騒な事をぼやく私に、二人は止めに入ろうとするが、新たに現れた天空が早かった。



「別に止めはしない」



放たれた一言に、六合、太陰、私は虚をつかれる。



「主がそう決めたのなら、我らはそれに従うまでだ」



きっぱりと言い切られて、私には返す言葉もない。



天空はある意味、一番効果的な事を言ったのだ。



「聖凪の負けね」



後ろからかけられた体重にため息をつく。



「ええ、本当に」