平安異聞録-お姫様も楽じゃない-




「それに、俺達が気付かない訳がないからな。早急に事を進めないと。」



いつの間にか現れた青龍は腕を組み、うんうんと頷いていた。



頭を捻るがなかなか、良い案が出てこない。



ため息をつき、苦笑する。



「妙案が無いのなら仕方がないわ」



きっぱりと言う私に、玄武と青龍が視線を向けてくる。



「傍観しましょう。流れに身を任せるのが一番よ」



からりと言い切った私に玄武と、青龍までもが大袈裟に肩を落とす。



「貴方達は片がつくまで、極力あの子に近づかないようにして」



「でも、それじ…」



反論しようとする玄武に片手を上げて、それを制す。



「分かってるわ。……太裳、あの子の側に着いていてあげて。でも、あくまでも着いているだけ。余計な手出しは無用よ」



名を喚ばれて現れた太裳は不機嫌そうに、眉を寄せている。



「先走らないよう、気持ちをほぐしてあげるだけでいいの。」



そう付け加えると、太裳は無表情のまま一つ頷き、姿を消した。



一連のやり取りを見ていた二人が、口々に意見する。



「太裳よりも朱雀の方が良かったんじゃ?」



「そうよねぇ、太裳なら本当に見ているだけって事もあり得るわ」



うんうん頷き合っている二人を苦笑しつつ、自分は間違っていないと改めて考える。



確かに太裳は口は悪いし、性格も悪そうだが、誰よりも真子を真っ直ぐと進ませてくれるだろう。



太裳の言う事は厳しいし、嫌味混じりだったりするが、的確に本当の事を指している────



…………………多分。