平安異聞録-お姫様も楽じゃない-




現れた玄武が悪戯な笑みを浮かべる。



「誰がそんな面白い話をしたのかしら?私も是非聞いていたかったわ」



私の頬に触れながら玄武はにやりと妖艶に笑った。



「そんな事より」



私がため息をつくと、玄武は頷いた。



「当然気付いたわ。物凄く青ざめた顔をしていたから」



まぁあれだけの霊力ならば気付かないのがおかしいわね、付け加えて玄武は体制を寛げた。



「でも、悪意のあるものとそうでないものの区別くらい、簡単につきそうなものだけど」



首を傾げる玄武に私は、無言で首を横に振った。



「あの子は今まで、周りにいる全ての人外のものに命を狙われてきているもの。全てのそう言ったものが、悪意を持っている訳ではない、なんて口先だけでは通じないのよ」



ふっと、ため息を一つつき、玄武を真っ直ぐと見返す。



「これからあの子も、だんだんと解ってくるわ。その先駆けとなるのが、貴方達式神でもあるのよ。あの子を頼むわね」



それ迄、おちょくったりせずに黙って聞いていた玄武が、目を細めて頷いた。



「任せなさい」



いつの間にか話を聞いていた、十二天将たちが頷く気配がした。



それに安堵しつつ、思案を巡らせる。



「無理はしないだろうけど、焦って調伏されても困るわね」



「かといって、貴方達や私の力を使ったら、微かな力に気付くでしょうね」