夜。
都会から離れた、とある田舎にある人がほとんど立ち入らない、森の奥深く。
鳥や虫などの鳴き声ひとつ無く、風も無い為、静まり返っている。
それは、余りに不気味で、異様な空間だった。
「い……いやあああ!!」
ーー突然に、女性特有の甲高い声が響き渡る。
木の上で眠りこけている烏などの鳥たちが、バサバサといっせいに飛び立ち、逃げていく。