二人の秘密。〜短編・学園LOVEstory①〜




君が転校して、

君の机は空席のままで、

放課後の時だけの秘密の関係は
もう、終わってしまったけれど、


あの後、僕には少し噂がたったけれど、


いつの間にか皆忘れて、普段の日常に戻っていったよ。



君が居たことも少しずつ過去になっていく。


君の友達は、君と連絡を取ったりしているのかな?


だけど、聞かないよ。
君の連絡先も何も。



あの放課後に過ごした僕達の時間は、
僕と君だけが共有した
大切な時間。


そして、とても大切な
二人の秘密。






今も時々教室に残って、
君の席に座って、

顔を伏せていると、


君の足音が聞こえる気がする。


君の温もりは、この机からじゃ感じ取れないけど、


ほら、

教室のドアを開けて、
君が入ってくる。


あの嬉しさ。


ぼくは忘れないよ。


君の声も、
温かさも、


放課後の教室で、
昇降口で、
校門で、


君と一緒に過ごした時間を。



君の
あの、最後の言葉も。





−また、いつかの明日ね。−




夕焼けのオレンジが、
赤色に変わるとき、



最終のチャイムが鳴る。




〜完〜