二人の秘密。〜短編・学園LOVEstory①〜




涙って、

痛いときとか、
苦しいときとか、
感動する時とかに、
勝手に出る物だと思う。


でも、違うんだね。



本当に悲しい時には、
大切な何かを喪失してしまう時には、

きっと違う涙が流れるんだ。



身体中から絞り出される
理屈では説明できないような、

悲しい涙。



生きていると言う感覚が流れ出して、

徐々に体がしぼんでしまうような、
心が空っぽになっていくような、

不均衡な感触。



僕はうつ向いたんだ。


枯れ葉に
涙が
カサッと落ちた。



生まれて初めて知ったんだよ。


別れる切なさを。



また、明日って

言えないつらさと、

また、明日って

思えないつらさを。




だから、精一杯で君と別れる挨拶を、

僕は初めて口にした。




「ありがとう。
また、何処かで。」






涙でぐちゃぐちゃになって、
鼻水だって出ていただろう。


だって、君もそうだったから。



でも、笑顔で言った。


ありがとう。また、何処かで。


って。



君は大きくうなづいてくれた。



そして君も言ってくれた。



「じゃあね。また、いつかの明日ね。」



って。