二人の秘密。〜短編・学園LOVEstory①〜




君と手を繋いで
教室を出て

昇降口のくつ箱で靴をとるのを待つ間、

なんだかとても気まずくて。


恥ずかしさと、
高揚感と、
そんな色々な気持ちが芽生えていた。



だからさ、

昇降口のガラスに、
うっすらと映る
君が靴を履く仕草が
堪らなく官能的なんだよ。


官能的なんて、
一体いつ覚えた言葉なんだろう・・・。



「お待たせ。」



君の口から初めて聞いた言葉。


恋人同士みたいなワード。


また、僕達は手を握って歩き出す。


指と指を絡めて。


強めに握る。


手汗って、
こんなにかくものだったんだって、
初めて知った。



校門なんてあっと言う間だ。


離したくない。


君のこの手を
離したくない。


君もそう思ってくれているだろうか?


手を離す別れ際に、
一瞬ギュッと握り返してくれた。



それで解ったんだ。


君も、
僕と、

同じ気持ちで居てくれてる事が。