雪の朝、君が眠りにつく前に



朝綺と向き合えるように、ベッドに腰掛ける。

ラッピングを解く手が震えてしまった。

朝綺はあたしの手元を見つめながら、そっと笑っているらしい。


〈ありがたいご時世だよ

 指先ひとつで買い物できるんだ

 おかげでおれでもプレゼントを用意できる〉


いたずらっ子みたいに、朝綺は頭が働く。

まさかサプライズがあるなんて、あたしは思ってなくて。


銀の鎖に、ローズピンクの石が付いたネックレス。


驚かされたから。

ささやかなプレゼントひとつで、涙が出そうになってる。


「ありがと……」


悲しいわけじゃなくて。

でも、嬉しいとも言い切れなくて。

泣きたい。