「愛子!起きなさい!今日は入学式でしょ!」

「ん‥う~ん!、って!ほんとだ!なんで起こしてくれなかったの!!」

「何回も起こしたわよ!」

髪の毛を整え家を出る。
「いってきまーす!」


いけない!今日は入学式だった!
急いで自転車をこぐ。

学校へつくと、まだみんなわいわい話してるところだった。

「はぁ~!良かった〜‥」
ーードンッ

「あ、ごめんなさい‥」

相手に聞こえるか聞こえないかわからないくらいの声で言った。

『あ、ごめん!怪我しなかった??」

「あ、大丈夫です。すいません。」

『入学式だから緊張しちゃってて!!」

少し照れながらニカッと笑う彼。

あぁ、いつからだろう。
心から笑えなくなったのは。

そんな事をふと考えてると
『‥? どうかしたか?あ、やっぱ怪我してたとか!?気づかなくてごめん!えーと、保健室は…』

!?この人なんか勘違いしてる!

「え、いや、違います。ほんとに大丈夫なので。」

『本当か?よかった!ってお前も一年か!俺は吉田 そうま!よろしく!』

「あ、えっと、長森 愛子です、よろしくお願いします‥」

『っんだよ、堅苦しいな!タメでいいよ!』

「あ、はいっ‥」

『だから、タメでいいって!面白いやつ!』

またニカッと笑う彼。
これが、私と彼の出会いだった。