足跡に惹かれて

「...かわいい...」

中に入っていたのは、暖かそうな手袋だった。

「よかったー!

ほら、いつも手袋してなかったでしょ。

寒そうだなと思ってて。」

そんなところまで気づいてくれてたんだ。

「ありがとうございます!一生大切にします!」

「ふはは、よかった。

あ、でも使ってね?笑」

大きくブンブンと縦に頭を振った。

すると、頭をぽんぽんと二回叩いて、先輩は行ってしまった。

叩かれた頭を触りながら、先輩の背中を見つめていると、不意に振り返って、

「メリークリスマス!良いお年を!」

そう言ってまた歩き出した。

先輩の顔が赤かったのは寒さのせいだろうか。

私の顔が赤いのは、きっと寒さのせいだろう。

火照った頬に冷えきった手を当ててそう言い聞かせた。