足跡に惹かれて

「はい、杉山です!」

緊張しすぎて部活張りの応答になってしまった。

「ふはは、元気だな。

あのさ...

明日も部活同じ時間?」

「は、はい...」

笑われてしまったのが恥ずかしくて、ボリュームをさげたら下げすぎた。

「そっか..

じゃあ、明日も一緒に帰れないかな。

あの、学校...から。」

「はい!」

情景反射で返事が出た。

「じゃ、玄関待ち合わせな。」

そう言うと、返事をする前に電話が切れてしまった。

約束なんてしたことがなかった。

いつも前には足跡があって、それを辿ると先輩がいて。

次の日も同じことが起こるなんて不確かなことなのに、それでも毎日それを楽しみにしていた。

それが、初めての“約束”。

やっぱり今日は記念日だ。



初めて一緒に帰れた記念日。

初めて電話した記念日。

初めて約束をした記念日。



先輩記念日だ。

これ以上にないくらい、先輩に会いたいと思った。