「昭尋は史恩の事すごく可愛がってるように見えるけど」 可愛がって……? 確かにいつも一緒だし、困った時は助けてくれるし。 ちょっと強引だけど、それが昭尋の良さであると感じていた。 少なくとも嫌われてるとは思ってなかった。 「俺、やっぱり昭尋に直接きいてみる」 「それがいい。アイツも反省してるんじゃない?」 綾人の励ましが嬉しかった。 綾人は昔からどっか大人びてた。 俺はいつも、今でも背中を押されてる。 「ありがとう、綾人」 俺は軽くなった不安に足を弾ませ、自分の教室に帰った。 .