「綾人ー」 「どした?」 綾人は、眼鏡を外し、明るい表情で俺を手招きして呼んでくれた。 ほっと心が安らぐ。 「俺さ……昭尋に何かしたかな」 「何かって、何で?」 「昭尋が冷たいっていうか。昨日気になってメールしたけど返信なくて」 「朝は?」 「ずっと机に伏せてた」 綾人は眉間に皺を寄せた。 「冷たいってどういう風に?」 「返事があぁ、とかそんな感じばっかで」 更に首を傾げる。 「昭尋が史恩の事嫌いになるとは思えないけど」 .