「やっちゃんおはよー!」
「あ、ゆーみんおはよう!」
下駄箱で偶然あった友達に笑顔で手を振ると、ゆーみんもニッコリと笑顔を見せてくれる。
お互いにくつを履き替えるのを待っていっしょに教室に向かった。
教室に入るともう1人仲良くしているさーやんがいて、3人で他愛もないことを話す。
と言っても現役の女子高生なだけあって、その話題というと恋愛のことで。
「弓(ゆみ)、彼氏と別れたの?」
「うん。だって向こうが浮気したんだもん」
むす、と剥れる弓ことゆーみんはかわいい感じの女の子ですごくモテる。
ふわふわした見た目と違ってやや毒舌気味なところがあるからよく「小悪魔」って言われてるのを聞く。
「あーあー、だからあいつは止めとけって言ったのに」
「だってぇ」
やれやれと呆れたようにため息をこぼすさーやんにゆーみんは頬を膨らます。
そんなところもかわいくて(というよりかわいすぎて)わたしにも分けてほしいぐらいだ。
「紗耶(さや)はどうなの?」
「あたしはいーの。恋愛は聞く見る専門だから」