どうにもならないとわかっていながらも目の前にある静くんの胸元を軽く睨む。


ええい、こうなればままよ!見られてて恥ずかしいとか言ってらんない!このままでも十分恥ずかしいのは変わらないもんっ!


ぎゅっと目を瞑りちゅっと綺麗な肌に吸い付く。勢い良すぎたかもと慌てて離れればさっきよりもくっきりついた赤にちょっとだけ血の気が引いた。


し、静くんの肌にこんな跡残しちゃった!!



「ご、ごめんなさい!こんな強く吸うつもりは…!!」



あわわと軽くパニックになって弁解しようとあたふたすると静くんはキョトンとした後におかしそうに小さく吹き出した。え、と固まるわたしに静くんはクスクスと肩を揺らしていて。


あ、あの、そんな面白いことあった…?と困惑の表情を浮かべるわたしに静くんは優しく微笑む。



「これの意味、わかる?」


「え?」



胸元に咲いた赤い印を指さす静くんにわたしは首を傾げた。意味って…それに何か意味なんてあるんだろうか。わたしが吸い付いただけなんだけど。


疑問を浮かべるわたしにそっと近づいて静くんは耳元で囁く。



「これは、俺がやよのものっていう意味の印だよ」





腰へのキスは『束縛』の意味、胸へのキスは『所有』の意味


あなたのことがたまらなく好きだから、縛ってでも自分のものにしておきたいのです