「爽、好き……」 ここのことばが、俺の胸につきささる。 ……ここ。 俺は? 目の前にいる俺はみえない? ここのちいさな背中をみつめながら、ぜったいに言えないきもちを心のなかでそっとつぶやく。 そんなことを思っても、むなしくなるだけ。 ここは、爽ってヤツのことしかみていない。 俺のはいるスキは、 幼なじみの俺のはいるスキは、 1ミリも、ない───……。