―――.... 「...み」 遠くで声がする。 「かすみっ」 「ん...?」 あたしはぼぉーっとしながら、目を開ける。 先輩が困った顔で見つめていた。 「全く...いきなり寝ちゃうからびっくりしたよ。 折角だから―海から見に行こうかなって」 「あ、あー...。 すみません..」 ちらりと先輩を見ると、 「話、結局聞けなかったよ。 まぁ幼馴染くんより、今は俺のこと見てくれてるからいいけど..」 なんて呟いていた。 あたしは車から降りると、うんと背伸びをした。