その言葉に、俺は立ち止まりかけた。 ずっと隠し続けたウソが、俺の頬に流れ落ちていった。 その場から必死に走ると、俺の瞳から溢れんばかりの涙が零れていた。 「馬鹿すぎて、笑えるぜ...」 今更。 本当にその通りだよ。 何で大事な女にウソつく必要があったんだよ。 俺にもわかんねぇけど――。 ごめん、かすみ―。 家に着くと、母さんがいないのを確認し、リビングのソファで横たわる。 「終わったな...もう傍にいれねぇのかよ」