医師が部屋から出ると、母さんは涙ぐんでいた。 「学校には言ってないわ..。 受験前に風邪を引いた、って伝えておくから。 今日はゆっくり休みなさい。 学校へは事情を話しておくから」 「母さん、俺ぇ受験したいんだけど」 「え?」 「このまま死ぬなんて嫌だからな。 だから受験やらせてくんね?」 「..しゅう」 また悲しげに顔をゆがめる母さんを他所に、俺は目を閉じた。 そっかぁ。 俺、死ぬんだ。 素直になれなかった自分への罰かもなぁ―。