あたしは先輩の手を引いた。 「あたし..残念なことに鈍感じゃないんだ。 全部、全部。 分かってる。 だからひろさんたち、可哀想にしか見えないよ」 そして先輩と一緒に、外まで駆け出した。 「..また助けられちゃったね」 「先輩があたしを助けてくれた、恩返しです」 門の外に出ると、今度は先輩がリードしてくれた。 「よく分かったね。 俺の両親じゃないって」 「先輩の態度、凄いよそよそしかったから」