と思ったら、もう片方も倒れて、くんずほぐれつの争いとなる。 どちらかが、苦しそうにうなった。 「ギブ!」 とたん、二人は体をほどき、きまり悪そうに立ち上がった。 ひょこひょこ会釈して、とぼとぼ去っていく。 「どうも」 「どうも」 呼びとめなきゃ! あたしは思った。 けど、とっさに、何もうかばなかった。 それで、二つの背中に、バカみたいに返した。 「どうも」 二人が足をとめた。