「そのケータイおれの。いますぐ返せ」 通話がきれた。 あたしは、ケータイを耳からおろし、指をひらいてじっと見つめた。 ケータイが急に重みをまし、手首にこたえる。 苦い真実が棘つくつるを伸ばし、ハートをからめる。 ゴウダは、あたしが金を返そうが、返すまいが、気にもかけなかった。 最後のつがなり、ケータイを取り戻すのにも、何のためらいもない。 ゴウダにとってあたしは、取りかえのきく、使い捨て。