ナカガワの顔がひきつった。 大きく口をあけ、あたりに視線を走らせていったん閉じ、 「見返りなんか、欲しくない!」 けわしい小声で否定した。 「ヨシダさんを、金でどうこうしようなんて、おれ、そんなこと、絶対考えない!」 「悪いけど、信じられない」 あたしは立ち去るべく、きびすを返した。 「送ってくれてありがと。じゃ」 と、後ろで、 シャッ。 かすかながら、ゾッとする音がした。