んー、よく寝たぁ。

眩い日射しに目を開くと

「ふぇっ!?」



目の前に、藤堂くんの顔がありました。









なっ、なんで!?

そういえば私、今日からひとり暮らしすることになって………
藤堂くんの部屋とかぶって同居することになったんだっけ。

でも、寝る時には確か藤堂くんはベットにはいなかったはずだし、私はひとりで寝ていた…のに………。


なんで、いるの!?





「んぁー…。うるさい」

薄目を開けた藤堂くんがそう言い放つ。

そんな姿もかっこいい………じゃなくて!

うるさいじゃないよ、なんで私のベットで藤堂くんが寝てるの!?



「朝からギャーギャー騒がないで。頭に響く」

「でっ、でも」

「でもじゃない。僕だってベットで寝たいもん」



『寝たいもん』って。
かわいくいったら許されるわけじゃないからね。



「それにしても、橘さん。寝てる時はかわいいんだね」

ごろん、と寝返りをうつと寝っ転がったままだった私のおでこに藤堂くんがこつんとおでこをぶつけた。

「髪、さらさら」

ふふっ、と笑って私の髪をくるくると指先でもてあそぶ。

な、なんでこんなに甘いの!?
藤堂くん!?





「橘さん、寝てる時『藤堂くん』って寝言言ってたよ」

髪をもてあそんでいた手をとめると今度は頭を撫でながら妖艶に微笑む。


「そんなに、僕が、好き?」



ドクンドクン

心臓が跳ね返って、なにも、考えられない。

男の子に触れられるなんて、こんなのはじめてで。

好き、とかそんなんじゃないのに。なんで。



ドキドキが、とまらない。