食べ物を飲み込む時に違和感があって、最近お粥ばっかり食べていると聞いてたちまちその場が凍りつく。


「もうっそんなら早く言ってくれないと! 明日にでもやっているお医者さんに行きましょう」


 おじいちゃんの娘らしく、ぷりぷりと怒っておかーさんが言うと、おじいちゃんはゆっくり首を振った。


「行ったんだよ、胃カメラをしたけど原因はわからないから風邪かもしれん」

「ご飯が食べられないなんておかしいよ! どこかもっと詳しく看てもらえるとこ行かないと! 」


 もやもやしたものが胸に渦巻いていく。形のわからないそれは、どこかまとわりつくようなしつこさがあって気持ちが悪い。


「もしかしたら、喉に異常があるのかもしれませんよ。胃カメラは胃しか診てもらえませんからセカンドオピニオンで咽頭科のある大学病院を紹介して貰ったらどうですか? 」


 お父さんが、検索をかけたタブレットの内容をおじいちゃんに見せる。そこは県内で咽頭科専門の医師がいる病院のリストが並んでいた。