君のいる世界


 彼女の真っすぐなひたむきさに、自分のことが恥ずかしくなる。


 誰にも遠慮することなく、彼女を愛していいのだろうか? 自分とともに、生きてもらっても?


 死ぬことを覚悟した自分の、ささやかな一生を彼女は受け止めてくれる。きっと。

 いつ死んでもいいと思っていたのに、まだもう少し生きていきたいと思えるのは玲奈ちゃんがいたからだ。

 じわりと熱が上がる。麻酔が切れたなら、痛みが襲うだろう。それでも、その痛みを我慢して生きていきたい。



「まだ体が辛いようですから、ゆっくり休んでください。あたしが、そばにいますから」


 その言葉に笑みが浮く。

 今度は、きっと間違えない。きっと彼女を守って大切にする。

 そして、彼女のいる世界で生きていこう。