「それが余計なお世話だっつてんの。今時の病院は完全看護だし、パジャマだって借りることが出来るから、なにも不自由しないんだよ」

「……でも」


 唇を噛み締めた結輝さんに、今度は優しい顔で笑って見せる。


「これはお前にとってのチャンスなんだよ。ダメもとで頼んだら、たまたまアシスタントが抜けたところだったから受け入れてもらえたけど、普段ならお近づきにもなれないような人なんだから」

「俺はまだまだ礼治さんの所でアシスタントがやりたいです」

「お世辞はいいから。もう顔見ただろ? もうすぐ手術の準備で行かなくちゃだから、もう帰んな。時間がかかるから、終わるまで待ってることないからな」


 さっくり切られている。確かに、知らなかったたとはいえ手術の前なんて時に押しかけて来ていいものだったんだろうか。


「それで、玲奈ちゃんまでどうして? 」

「あたし……礼治さんのことが心配で、結輝さんに聞いてすぐに来ちゃいました」

「まあそうだろうけど。結輝は余計なことは言ってないよね? 」