どこもかしこもチューブがまとわり付いて、寝返りさえ打てないほどの息苦しさがある。それでも、おじいちゃんが頑張っているのがわかるから、あたし達もなんとかおじいちゃんを励まして、早く治らないかとやきもきしていた。

 完全看護の病院では、夜の家族の付き添いはしなくてよかったので、おばちゃんもおかーさんも交代でお見舞い時間ぎりぎりまで居て帰るという生活になっていた。


 手作りのハンバーグが、コンビニのハンバーグになったとしても、それはそれで美味しいね、なんて食べていたけれど、それがひと月を過ぎてふた月目に入る頃にはメニューを食べ尽くして飽きてしまっていた。


「……おじいちゃん大丈夫かなぁ」


 なんだかどんどん悪い方へ行っているみたいで怖くなる。手術の後に氷なら食べていいとお許しが出て、口のなかで溶かしながら食べていたと聞いて安心していたのに。

 それから熱を出して、点滴になっているので、術後始める予定だった重湯に移れなかった。今でもおじいちゃんはご飯を食べていない。食べることが大好きだったおじいちゃんには辛いことだろう。


「あたし達が心配したって何も出来ないじゃない」