あたしが言葉を噛み締めて余韻に浸っていると、首を傾げて質問してきた。


「オーディションに来ているの? 」

「はい。あんまり回りの子達がカワイくって自信がなくなってたんです! あたしも自分に恥ずかしくないように頑張ってみます」

「じゃあ可愛くなれるように、魔法をかけてあげるわ」

そう言ってバックの中からピンクのふわふわがついたゴムをツインテールにした髪の毛に付けてくれた。

「ピンクラビッツは真っ赤な目をしていても頑張る女の子のためのブランドよ。あなたもきっと上手くいくわ」

ピンクのふわふわを付けた鏡の中のあたしは、嬉しそうに笑っている。さっきまで元気がなく、しおれていたのが嘘みたいに。

「ありがとうございます! 頑張れる気がしてきました」