「そうですね、近藤さんの言う通り…火雨君には今まで通り居て貰って、密偵の時や花街での事件の時に潜り込ませたら良いんですよ!」
「…確かにな、分かった…火雨、これからも隊士共に女ってばれない様に精進してくれ」
「…はい、ありがとうございます」

顔を下げて、土下座のようにする。
まだ、自分の正体を言うのは…元”神”だと言うのは早いだろう…。
だとしても、私が女だとばれるのは考えてなかった…。
もう少し用心していれば良かったな…。
そう考えても、遅いのは分かっている。
ただ、こんなすぐにばれる物かと驚いた。

…意外と鋭い人間も居るのだと感心した。
やはり、人間という物は面白い。
観察しているだけでも興味深い物だ。
まぁ、私達”神”が生み出した存在でもあるのだが…。
久し振りにそんな事を考えていた。
まだ雪は降り積もっていた。