2人で襖の前に座り、中に声をかけえる。

「時雨と火雨です、入ってもよろしいでしょうか?」
「あぁ、入ってくれ」

近藤さんの代わりに土方さんが返事をした。
その声に返事をしてから、中に入った。
襖を閉めて土方さん、近藤さん、山南さんと向かい合い、斎藤さん、沖田さん、井上さんが私達の左側に居て、原田さん、永倉さん、藤堂さんは右側に居た。
前に居る3人を見つめる。

「急に呼んでしまってすみません、私達からお話があり、集まって貰いました」
「なんだ、言ってみろ」
「はい…その前に謝ります、すみませんでした」
「…何故だ?」
「…実は、私の正体は女です」
「!?」

自分の正体を言うと原田さん以外、驚いていた。
…なんだか、複雑だな。
女らしさがない、と言われているみたいで。
いや、まぁそうなんだけど。

「…何故入ろうと思った?」

唸るように低く放つ土方さんの声。
普通の女なら怖がるだろうなぁ…。
私にとっては、全く怖くもないけどさ。

「…私達は実の親を知らずに、他の人の子として育ちました」
「……!」
「私達を育ててくれた人もすぐ、亡くなりました…暫くの間はどうにかして生きていました」

神の世では、親に捨てられたからって馬鹿にもされたなぁ…。