着替えるために服を脱ぐと、胸を押さえていた晒も濡れていた。
……いくら時雨の前でも、晒だけは取れないな。
そう思い、時雨に暫くの間、背を向けて貰った。
晒を取ってると、襖が開いた。

「時雨、火雨!さっきは、悪かっ…た…って、え…?」
「……」

…原田さんが謝る為に部屋に来たんだけど、私の体を見て、固まっている。
やばい、絶体絶命なんだけど。
終わったやつじゃん。

「お前……女、なのか…?」
「…えぇ、そうですが」

もう開き直った方が良いと思い、体を背けて答える。
新しい晒を出し、胸を押さえてから服を着替える。
服を着終わったら、時雨に声をかけて原田さんに向き直る。
暫くの間、お互い無言だった。
そして、原田さんが複雑な顔で口を開いた。

「…なぁ、なんで隠してた…?」
「……女人禁制なのに言える訳ないじゃないですか」
「…確かにな…じゃあ、何で入ろうとした?」
「……それは、皆さんの前で話します」
「なっ!ひ、火雨!」
「大丈夫だ……彼らに話しても隠してくれるさ」

時雨に小声でそう言って、安心させる。
まぁ、安心できないだろうけど。
原田さんが先に出て、広間に幹部の皆さんを集めて来てくれるそうだ。
私と時雨は後から立ち上がり、幹部の皆さんの元へ行く。