鬼の双子と新選組


化粧をした部屋に戻り、元通りに戻っていく。
今から芹沢さんを殺さなければならない。
…”神殺し”の時は、なんとも思わなかった。
地上に降ろされてからも何人も斬った。
だけど、芹沢さんの場合は何かが違う。

私は……初めて、人を殺すのが怖くなった。
こんな事、今までなかったのに…。
なんでだろう……。
芹沢さんを殺す事に躊躇ってしまう。

「駄目だ……こんなの、こんなの私じゃ、ない……」

そう呟いた。
でも時間は悠々と過ぎていく。
これ以上、皆を待たせる訳にはいかない。
そう思い、角屋から出て行く。

八木邸に向かう途中、何となく空を見上げる。
上から出てくる、小雨が何故か可愛らしく思えた。
再び、八木邸に歩き出す。
すると、土方さん達が見えた。
急いで駆け寄ると、土方さん達も私に気付いた。

「ご苦労だったな」
「いえ、私は顔的に女性に化けやすいので気にしないで下さい」
「火雨君って…本当に男性なんですか?」
「「っ!?」」

時雨と一緒に驚いた。
…沖田さんは意外と鋭いのかも…。