「宵の中輝く我の式神、下界の桜と言ふ物に止まり休む…
桜は儚く美しい式神に恋をし…我の式神もまた恋をする
式神の命はもう少し…下界に降り、桜の元へ行き、式神が笑ふ
我が問う、何故笑う?と…式神はただ笑い、消え去るなり…
我は今宵も独りなり…」

これは私が神だった頃の話だ。
私の式神の事を思い出し、舞ってみたのだ。
舞が終わり、礼をすると手を叩く音が聞こえる。

「凄ぇ…」

そう1人が呟くと全員が言う。
少し恥ずかしくなり、芹沢さんの元へ行き、お酌する。

「…良かったぞ」
「!…おおきに…」

少しだけ聞こえた言葉に嬉しくなる。
暫くお酌していると、芹沢さんが酔ってきた。
そして、そろそろ計画が本格的に始まる。

「…俺はそろそろ帰る」
「芹沢さん、今日は俺達が警護するぜ」
「…ふん、どういう風の吹き回しだ」
「誰も警護する奴が居ねぇから、俺達が警護するだけだ」
「…勝手にしろ」

そう言うと、芹沢さんの周りに土方さん、沖田さん、斎藤さん、時雨が行く。
土方さんに目で早く来るように、と言われた。
こくりと頷くと土方さん達は先に帰った。
私も襖の前へ行き、他の人に呼ばれた、と言って出た。