土方さんに続き、近藤さんまで飛び出して来た。

「「っ!!」」

私達は目を合わせた。

「芹沢さんと一緒に居るのは誰と誰ですか!?」

私は斎藤さんの胸倉を掴む。

「火雨、落ち着け!で?誰だ、平山か、野口か!?まさか…新見も一緒に居るのか!?」

土方さんは素早く大刀を帯びている。

「其奴等は確かに揃って居ますが、他にも三十人程の隊士が大和屋の蔵を打ち壊して回っているようです」
「三十人だと!?」

土方さんは言葉を失った。

「時雨!!」
「火雨、冷静になれ!!」
「っでも!!」
「良いから!!」

……時雨の言う通りに冷静になった方が良い。

「……時雨、行こう」

槍を持って出て行こうとする。

「今回は槍じゃない方が良いぜ」

と時雨に言われたから、槍を置いて行く。
三日月(三条宗近)に腰に差して問題が起こってる大和屋に向かう。
大和屋に着くと煙の匂いが濃く、燃え盛る炎と火の粉と黒煙で
息が出来ない程だった。
私達はもはや、手の施しようがない火の勢いに
その場で呆然と立ち尽くした。